日本の都道府県別 米(稲)の生産・収穫量

経済

特徴

米(稲)は、イネ科の植物であり、科の名称にも採用されているようにイネ科を代表する植物である。稲の実にあたる部分が籾(もみ)で、その籾から籾殻(もみがら)を取り除いた部分が米である。稲は、インド東部のアッサム地方から中国南部の雲南地方が原産地だと考えられているが、アジア東部の多くの地域に広まって主食になり、小麦と並んで人類の二大食料となるなど、人間にとって重要かつ基本的な作物になった。

稲には水稲と陸稲があるが、水稲の方が品質も単位当たり収穫量も高く、圧倒的に水稲の方が生産量が多い。稲の栽培には、基本的に、生育期間には気温約17~18℃以上、降水量約1000mm以上が必要である。

このため、米は、東アジア・東南アジア・南アジアなど、夏期に高温多湿になるモンスーンアジアで大部分が生産されている。国でいうと、中国インドインドネシアなどが生産量の上位となっている。日本は生産量が下がって世界の上位10位にも入らなくなっているが、それでも国内においてはやはり米は基礎的な食料として重要である。

都道府県別の生産

現時点で最新となる、2023年の都道府県別の米の収穫量を確認する。日本では稲のうちの99.9%以上を水稲が占めており、圧倒的に水稲がメインであるため、水稲の生産量(収穫量)を対象とした。

このように、収穫量は、①新潟、②北海道、③秋田、④山形、⑤宮城という順位になっている。地図を見ると地域による傾向が明らかで、北海道・東北・新潟というように、日本の東北~北の地方に主な生産地が集中している。

これらの地域は、気温・水・土地などの自然環境の面で米の生産に適した条件を備えている。降水量が多いので水が確保でき、水田のための土地も十分に存在している。夏期には気温が高くなって十分な温度が確保できるが、同時に、夏の日中以外は涼しくて害虫の被害が少なく、また台風などによる被害も少ない。

過去10年間の推移

過去10年の都道府県別の米の収穫量の推移についても確認してみた。

都道府県別の収穫量の上位は、近年ほとんど変化がない。1~4位は、新潟北海道秋田山形が10年連続で不変で、5位も10年中7年が宮城(他の年の5位は茨城または福島)となっている。

また、全体的に上位の都道府県で生産量は緩やかに減少していることがわかる。このことにも表れているように、日本全体で米の生産量は減少しており、2023年の生産量は、最大であった1960年代後半の約半分にまで下がっている。

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